気づいたら眠ってしまっていたみたいだ。窓の外を見るとそれはもう見事な夕日が空をオレンジ色に染めている。ぼんやりとソファーから体を起こすと身体にかかっていたブランケットがぱさりと床に落ちた。
「あ、ケイトくん、おはようございます」
「……オレ、いつから寝てた?」
「映画見終わって、その後かな。エンドロールの後ちょっと映像あったの覚えてます?」
「……覚えてないかも、」
「ふふ、最後の曲、眠くなっちゃう感じのやつでしたもんね」
彼女の穏やかな声を聞きながらスマホで時間を確認する。映画を観はじめたのは2時半くらいだったから少なくとも1時間は寝てしまっていたみたいだ。
「折角の休みなのになあ、」
「良いんじゃないですか? お休みの日くらい」
「いいの? ちゃんも居るのに?」
「……う〜ん、うん、いいですよ、」
「ホントに?」
「だってたぶん、ケイトくんと一緒のお休みの日はこれから何度もあるでしょう?」
「はは、そうだね、」
だって、オレたちは、少し前からこの部屋で一緒に暮らしている。二人で一歩も外に出ない休日も、映画を見ながらだらだらする午後も、何度だって繰り返すことができる。なんだか嬉しくなって彼女の名前を呼びながらその手を引いて、自分の横に座らせた。
「ねえ、ちゃん、」
「ん?」
「好きだよ、」
「……私も、ケイトくんが好き」
好きな子が、オレのことを好いている。こんなに幸せで都合の良いことがあって良いのだろうか、と常々思うが、色々紆余曲折あってのこの結果だから神様は大目に見てほしい。
二人の距離が近くなって手が触れた。それから、頬に手を伸ばして、唇に己のそれを寄せる。寝起きにキス、なんて昔話のプリンセスみたいだな、と頭の隅で思う。いや、お姫様はキスされるまで起きなかったけれど。
たぶん、めでたしめでたし、って、たぶんこういう時に使うんだろうな。