空一面を墨で塗りつぶしてしまったかのような、深い深い夜だ。刀剣男士たちの撒いた油の匂いが村中に充ちている。彼女が燐寸を放り投げさえすれば、炎は燃え広がって村は崩れ落ちる。
結界の外にいれば、その熱も、不快な臭いも、感じることにないまま、村を消すことはできる。彼女の指示で、小狐丸以外の刀剣男士たちは村を取り囲むように結界の周囲に配置された。……が、彼女自身はそれを良しとはしなかった。自分がしたことに責任を持ちたいのだという。……彼女らしい、と思う。小狐丸も、結界の外に出るように言われたが、これだけは譲れませぬ、と主のそばにいることを望んだ。燃え盛る村に愛おしい人が身を投げてしまうのが怖かったからだ。勿論、彼女に限ってそのようなことはないとは思うが。現に今彼女は、いつも以上に真剣な眼差しで、気丈に村のそばに立ってみせている。「小狐丸ちゃん、」と己を呼ぶ声は少し緊張をしているが、震えてなどはいなかった。
「小狐丸ちゃん、私ね、本当は怖くもないし躊躇いもないんです。任務ならば、成し遂げなければって思ってる。例え、親切にしてくれた人たちが燃えて灰になるのも怖くない、大丈夫、……雨が降れば種はいくつか流れてしまうもの。それが命、」
「それがこの世の決まりごと、ですね、ぬしさま」
間引かれる植物の苗にさえ手を差し伸べてしまう彼女のことだ、それが悲しい強がりだということを、近侍である小狐丸は承知している。だからといって、彼女に対して「私が火を放ちます」「ぬしさまは目を閉じて、そこにいれば良いのです」とは言わなかったし、言えなかった。少女の決意を揺るがしてはならぬと、彼女に仕える武人としての性が告げていた。
例え、不要になってしまった枝葉の剪定を繰り返すことになろうとも、きっと彼女は……。
火をつけようとする少女の手が震える。「うまくつけることができないのならば私が」とそっとその手を取って、燐寸を擦ってやることができれば、どんなに楽だろう。そう口にすることができたとして、彼女は首を横に振るだけであろうが。
なんとか小枝の先に灯した小さな炎を、油に近づける。そうすればたちまちあたりは昼間のように明るくなって、彼女の頬をほんのりとオレンジ色に染め上げる。
世界中が二人だけを残して死んでいくかのようで、幻想的ではあるが、あまりにも絶望的だった。きっと明日のこの村では、小鳥の声さえ響かない。
村は燃え上がる。煙が立ちこめる。全てが燃え落ちる前に、呪いをかけて、審神者達は村を後にする。
任務が終わってからしばらく時が経った。本丸に帰った主はいつも通り過ごしているように見えたが、時折あの夜の炎を思い出し、眠れなくなるようだ。勿論「眠れない」など彼女は一度も言ったこたがない。が、小狐丸が非番の日の前夜などは「小狐丸ちゃん、少しお話ししましょう」と擦り寄ってくることが増えた。そのまま朝がくるまで、体を温め合いながら過ごす。小狐丸は元々夜に生きる獣の性質を持つ刀剣男士だ、夜起きて朝眠る日も苦ではない。が、彼女は眠らぬまま昼になっても瞼が落ちない日も多いようで、日に日に目の下の隈が色濃くなっているのが化粧で隠していてもわかってしまうほどだった。
今宵も、小狐丸が床に着こうとすると、彼女がぺたぺたと足音を立てて私室へやってきた。布団の中に招き入れて向かい合って話をする。時折そのサラサラと指通りの良い髪の毛を梳ると、彼女は嬉しそうにクスクスと笑った。
「小狐丸ちゃん、気がつきましたか?」
主の問いかけに「何でしょう、ぬしさま」と応える。
「三日月さんね、あの村ではずっと『』って呼ばれていた女の子のこと、目で追いかけていたみたいなんです」
あの村の話を彼女がするのは、任務を終えてから初めてのことだった。まるで友人の恋路を見守っている女学生のような、愛おしさと慈しみを滲ませた優しげな声で、言葉を紡ぐ。……焼かれてしまった真夜中の村の話とは不釣り合いな、穏やかな光のように思える声だ。もちろん惚れた腫れたの話をするためにあの村を訪れたわけではない。恋心よりもっと熱くて苦しくて重たいものを小狐丸たちはあの村に残してきてしまった。そのことを彼女も思い返しているのだろうか、優しい少女は悲しげに「でも、」と続ける。
「でも、たぶん、三日月さんはそういう意味でさんのことを気にかけているわけじゃないみたいなんです」
「……というと、」
「……宴会の後、三日月さんと石切丸さんは、あの村を一度壊滅させたことがあるって話、しましたよね。きっと、あの時、三日月さんは、さんのことを……」
彼女の声は徐々に小さくなって、消えた。思わずその小さな手に、己の頬をすり寄せた。あの時は主としての彼女の立場を尊重したし、これからも将に仕える武人として、そうありたいと思っている。だが今は、一つの布団で向かい合って互いの存在をたしかめあうことのできる今だけは、こうして手を取ることを、抱きしめて瞼に口付けを落とすことを、許してほしい。……これは己の我儘だ。
「……ぬしさま、大丈夫です、私が側におりまする……今は、悲しいことは忘れて、私に身を委ねて」
互いの熱で、悲しいことも恐ろしいことも全て溶けて消えてしまえばいいのに。
彼女の唇に、触れる。最初は指でなぞり、その柔らかさを確かめて、そうして己の唇を重ねる。少し湿り気を帯びているような気がするのは、己も彼女も情欲に濡れているからだろうか、それとも、優しい少女が密かに流した涙のせいか。
抱き寄せて膝の上に抱え上げると、甘やかな香りが鼻腔を擽る。このまま彼女の嘆きも憂いも飲み込んでしまえたらどんなに良いだろう、柔らかな肌に牙を突き立て喰らってしまうのは容易いこと。だが、彼女はそれを良いとはしないだろうし、こうして触れ合うことができなくなるのも惜しい。だから、その代わりに、全てを味わい尽くすように、幾度も、幾度も、己の唇と彼女のそれを重ねる。「ふ、ぅ、ん、」と唇の端から漏れる小さな喘ぎでさえも愛おしい。舌先で唇の隙間を優しくなぞると、ほんの少しの隙間が開く。ぬるり、と侵入して小さく熱い口内を弄ると、彼女もそれに応えるようにおずおずと舌を伸ばしてくる。桜色の薄い唇の端から、つぅ、と唾液が滴るのがこの目で見ずとも分かる。彼女が息苦しそうにしたら一瞬だけ唇を離して、また重ねる。上顎のざらざらとした部分を舐め上げると、細い肩はびくんッと跳ねた。ここを刺激するとそれだけでとろとろに蕩けてしまう彼女が可愛くて、執拗に擦り上げて彼女の反応を堪能してしまう。腕の中の小さな生き物の力が抜けていくのがありありと分かる。腕を軽く叩かれて、ゆっくりと名残惜しくも唇を離すと、そればかりは嫌、とでもいうように少し不機嫌そうな表情をされた。
「もう、小狐丸ちゃんったらそればっかり」
「ふふ、申し訳ございませぬ、ですがこうされるのもお好きでしょう?」
「嫌いじゃない、けどぉ、」
「けど、なんでしょう?」
「ほかの、ところも、触ってほしい……、」
こうやって、彼女が素直に己を求め始める瞬間が好きだ。つい目を細めて、彼女のサラサラとした髪の毛を梳いてしまう。甘やかしてしまう。それで良い、それが、良いのだ。擦り寄ってくる少女の唇にもう一度だけ己のそれを重ねて、小狐丸は彼女の襦袢の合わせに手をかける。入り込んできた指先が冷たかったのだろうか、柔らかな肌はひくりと震え、胸の先の尖りは徐々に薄い布を押し上げ始めている。自身の動き一つ一つに反応してくれる彼女が愛おしくてたまらない。襦袢を脱がせて生まれたままの姿にした彼女の柔らかな乳房をふに、ふに、と揉むと、「ゃ、ぁ、んッ、」と声を漏らすから、ますます執拗にそこを可愛がってしまう。
「ぁ、はぅ、んっ、ひゃぅっ、」
「ぬしさま、ぬしさま。ぬしさまのお乳はほんに柔らかですね」
「ぅ、こぎつねまる、ちゃ、」
ふにふに、ふに、むにゅ、むにゅ、
小狐丸が撫であげて揉みしだくと、掌に吸い付いてくる乳房はふわふわと形を変える。これほどまでに柔らかく、触り心地の良いものを小狐丸は他に知らない。何度触れても飽きることはない、極上の質感だ。が、繰り返す行為ですっかり作り変えられた彼女の淫らな身体は、そうして撫でさすられたり揉まれたりするだけでは満足できないようで、中心の尖りはさらに硬くしこり、紅色に染まって、触ってほしいと主張する。つめ先で敏感な部分をかすめるようにすると、「ひゃ、うっ」と身体が小さく跳ねた。
「ああ、これだけでは物足りませんか。ふむ、それでは乳首もカリカリ、刺激してあげましょう。どうです?」
「ぁ、あ、あ、そ、こぉ、気持ちよく、なっちゃう、からぁ……、ぁ、あ、」
カリカリ、くり、くりくり、こり、こり、
普段はおとなしく衣服の中に収まっている敏感な部分が、ピンピンに尖って主張する様の何と艶かしいことか。彼女はたまらないとでも言うように身悶えて、喉を鳴らす。時折、二つの先端を、きゅぅ、と両手で摘んでやると、それがなんとも気持ちが良いようで、背を弓なりに反らすから、つい小狐丸の頬も緩む。
「ふふ、存分に気持ちよくなってくだされ、可愛いぬしさま。……さて、次はどのようにいたしましょうか、」
「ひ、んっ」
「胸が良いのか、腹が良いのか、それとも、」
胸を刺激しながらも、手を這わすように下へ下へと下ろしていく。子宮の上から腹を撫で摩ると、そこに埋め込まれる剛直を想像したのだろうか、少女はとろけるような甘いため息を漏らした。幾度か腹の上を往復し、脇腹を少しくすぐり、そうしてたどり着くのは……、
「きゃ、ぁうッ!」
「ふふ、やはりここが一等お好きのようじゃ」
そろそろと手を伸ばして、陰毛をかき分けて、ぷっくりと主張する花芯を、ぐり、と押しつぶす。むわりと湿気を帯びたそこは、すでに溢れ出た蜜で少し濡れていた。欲しい欲しいと涎を垂らす膣口にも、気持ち良さに震えてしがみついてくる彼女にも、気にもとめず、敏感な花芯だけをさらに、ぐり、ぐりぐり、と皮の上からすり潰すように嬲る。弱い箇所を触られて息も絶え絶えになってしまった彼女のなんと淫らなことか。ぺっとりと額に張り付いた前髪が、ますます扇情を煽る。
ぐりぐり、くりくり、ぐり、こりこり、ぬち、にち、
そのうち滲み出た愛液が纏わり付いて、厭らしい水音が響き始める。
「ぁ、そこ、ばっかり、こぎつねまる、ちゃ、ぁ、んっ、っ、」
「ご冗談を、ぬしさまのお豆さんはこんなにもぷっくりと膨れて、小狐を誘っておりまする。……そろそろ、皮も剥いて差し上げましょうか」
「ぇ、ぃ、ゃ、ぁああああああああッ、そん、な、ちょく、せつ、ッ、ん、ぁ、ああ、あ、」
「ふむ、刺激が強すぎましたか、びくびくと震えて、なんともお可愛らしい、ですがもうすこし……」
覆い被さる皮を剥いて、赤い豆を直接摘み上げてやると、どうやら一際感じてしまったらしく、細腰はガクガクと震え、とろとろとした蜜を流し続けていた膣口はきゅううううんっと締まる。どうやら達してしまったようだ。それでも、小狐丸は指の動きを止めることなく、彼女の敏感な部分を刺激し続ける。もっと、もっと、彼女の蕩けていく様を見ていたい。
くり、くりくり、くちくち、ぬちぬち、ぬちゅ、ぬちゅっ
「こぎ、つねまるちゃ、も、やめ、漏れちゃう、もれちゃう、からぁ……ッ」
「大丈夫ですよぬしさま、ほれ、もう一度気持ちよくなりましょう、」
一度達した身体は、上り詰めるのも早い。快感から逃れようとする細腰をがっしりと掴み、執拗にぐりぐり、くりくり、ぬちゅぬちゅ、と刺激し続ければ、小さな穴からぷしっ、ぷしゃああああああッ、と透明な液体が溢れ出し、まだ身につけたままの小狐丸の袴に、真っ白に洗濯されていた敷布団に、水たまりを作る。
「ぁ、ゃ、ぁ、でちゃ、った、ごめ、なさ……、」
「ふふ、潮吹きですね、お可愛らしいですよぬしさま。気にされずとも大丈夫です、小狐の指にこんなにも感じでくださって、うれしや、」
この狭い穴に自身を埋め込めばどれだけ気持ち良いだろう、想像だけで小狐丸の剛直も熱くなるが、それはもう少し後、だ。愛らしい彼女をもっとしっかり蕩けさせて、しっかりほぐさねば。
絶頂の余韻ではくはくと開閉する穴の入り口に、人差し指をつぷりと差し入れる。すでにぬるぬるとした粘液にまみれた雌壺は、難なくそれを受け入れた。くち、くち、ぬち、ぷちゅ、確かめるように内壁をなぞり抜き差しすれば、次から次へと蜜が溢れて、部屋中が淫猥な香りに満たされていく。そのうち、狭い入り口が蠢いて、小狐丸の指をうねうねと引き込んでくる。
「ぁ、あ、ナカ、くちゅくちゅ、って……」
「ほう、キツくきゅうと締め付けて、小狐の指一本だけでは足りませぬか、なんと欲張りなぬしさまじゃ、」
「ぃ、ぁ、そ、……なの、一本だけじゃ、ぜんぜん、たりないから、んっ、ぅ、きゅうって、なっちゃう……」
「ふふ、ぬしさまは素直で良い子ですね、ご褒美を差し上げなくては、」
「ぁ、あ、あ!、そん、な、三本、も、一気に……!」
「おやおや、すぐに飲み込んでしまいましたね、なんとも淫乱でかわいらしい……」
ぐちぐち、ぬちゅ、ぐちゅ、ぶちゅ、ぬちゅうっ!
膣内をかき混ぜるように三本の指をバラバラに動かすと、もっともっと、とでも言うように腰をくねらせる彼女が可愛くて仕方がない。それに応えるように内壁のザラザラとした敏感な部分をぬち、ぬち、ぐちぐち、ぐちゅ、ぶちゅう、と執拗に擦り上げると、再び、ぷしゃあああああ、と潮を吹いた。とろとろに蕩けて、汗と涎と溢れ出した生理的な涙でぐちゃぐちゃになった彼女の頬に、額に、唇に、口付ける。いま一度、深く、深く、お互いの口内を味わいながら、小狐丸も身につけているものを一つ一つ落としていく。直接伝わってくる彼女の体温が、益々それを滾らせる。褌をほどくと、ぶるんっ、と腹筋を叩いて跳ね返りそうなほど勢いよく剛直が飛び出した。唇を重ねあいながらも彼女もそれを感じたのだろうか、また愛液が溢れ出して小狐丸の膝をじゅわり、と濡らした。もう、言葉を交わす時間さえも惜しい。そっと唇を離して、息を吸う。そうして、軽く彼女の身体を持ち上げて、そのまま宙を仰ぐ亀頭の上に落とす。蜜の滴る割れ目を、切っ先で幾度かぬる、ぬる、ぬち、ぬち、と擦り上げて、押し広げて、ぬぷぷぷっ、と押し込んだ。
「ぁ、ひ、ぁ、あ、あ、あっ、あああああああああっ、〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ」
「ぬしさま、ぬしさま、ぬしさ、ま、ッ、あ、っ、く、ぁ、」
生き物のように絡みついてくる内壁に、思わず吐き出してしまいそうになるが、なんとか堪える。ぬちゅ、ぐちゅ、と音を立てて、さらに奥へ、奥へ。小狐丸の形にぴったり寄り添うように広がって、ぢゅうぢゅう、と吸い付いてくる彼女を感じて、愛おしさが溢れる。子宮はすでに下に降りてきていたようだ。ぬぐ、ぶちゅ、どちゅんっ、と押し上げるように入り口を舐ると、彼女は「きゃ、ぁ、う、」と小さな獣のような声をあげた。そのままねっとりと、再奥の最も敏感な部分を刺激する。抉るように、ぐりぐり、ぐちゅ、ぐちゅ、ぶちゅ、ぬちゅ、ぬちゅ。時折、ごちゅんっ、と突き上げると、彼女は背を逸らし、喉を晒して喜んだ。その度に内壁はきつく締まる、たまらない。
「ぃ、ぁ、ああああああああっ、」
「ふふ、また達してしまったようですねぬしさま、なんとお可愛らしい。ぬしさまは本当に、この奥の奥を突かれるのが大好きじゃ。ぐりぐりと抉ると、きゅう、と締まって」
「ゃ、あ、あ、ああああ、」
「絡みついて、しがみついて、この小狐を離したくないと、そう言っているかのようですねぬしさま、」
「ん、ぅ、……うううううう、」
ぬち、ぬち、ずちゅ、ぶちゅ、ぬちゅ、
何度も、何度も、奥を刺激する。子宮の入り口を捏ねると、亀頭にちゅうちゅうと吸いつかれる。その度に息を飲む。そのうち、抽送が激しくなって、彼女の腰はガクガクと震えて、溢れ出した愛液と、先走りの混じった液体が泡立つ。
「あ、あ、はぁ、あ、あ、こぎ、」
「っ、は、ぁ、ぬし、さま、ぬしさま、」
どちゅん、どちゅん、ごちゅ、ぬちゅう、
もはや彼女の身体を気遣ってなどいられなかった。腰を掴み、下から突き上げ、額の汗を拭うことすらままならない。
ずる、ずる、ぶちゅ、ぐちゅ、ずちゅちゅ、
そろそろ小狐丸も限界が近い。白い喉元に吸い付いて跡を残すと、狭い膣がさらにきゅううと締まった。熱いものがせり上がってくる。
「ぁ、ああ、あ、っ、あ、」
「ぬし、さま、ナカで、ナカで果てても、」
「んっ、く、ぁ、こぎ、つねまるちゃ、おねが、い、いっぱいいっぱい、ナカに、だし、て、」
「く、っ、ぬし、さま、ぁ、あ、ああ、あ、」
ぶびゅっ、びゅるっ、びゅるるるるるるるっ!!!!!
勢いよく吐き出された白濁が、彼女に入り込む。熱い、熱い、熱い。
ぬるぬるとした膣壁に囲まれて、すぐに滾りが硬くなる。もう一度彼女の中を味わいたいのだと、もう一つの己が訴えかけてくる。
「ぁ、また、げんきになって、」
「ええ、ええ、ぬしさまのお可愛らしい姿を見ているだけで、魔羅が収まりませぬ……、また、小狐の熱を受け止めてくださいますかな、」
「は、ぃ、こぎつねまるちゃ、なら、だいじょうぶ」
「なんとお優しいぬしさま、それでは次は体制を変えましょうか、ほれ、手をついて腰を上げてくだされ」
こうして頼み込むと、素直に頷いてくれる彼女の何と愛おしいことか。四つ這いにさせて、獣のような体制になった彼女の女壺の入り口に、ぴとり、と先端を這わせる。
「ゃ、ぁ、うしろ、から、はいって……え、ぇ、ぇ、」
ず、ずちゅ、ぶちゅぬちゅ、ぐちゅ、ずちゅ、ぅ、
先程とは違う箇所を擦り上げられるのが心地よいのだろうか、すっかり力の抜けた彼女は、喘ぎ声を抑えることすらできなくなっているようだ。断続的に漏れる甘い声に、ますます腰の動きが早くなる。
「ぁ、あ、ぁ、ん、ぅ、くぅ、ゃ、あああ、あぁ、」
「ぁ、あ、ぬしさま、こぎつねは、こぎつねはもう……ッ」
「ん、ぅ、いっしょに、いっしょに、ですよ、ね、こぎつねまるちゃ、」
ごちゅ、ずちゅ、ぶちゅぶちゅ、ずちゅ、ぶちゅ、ごちゅんっ
二度目の限界はすぐに訪れる。ドロドロになった内壁が、はやくはやく、とねだるから、一際深いところに穿ち、腰をぐりぐりと押し付けてしまう。
「ぬし、さま、ぬしさま、ぁッ、〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ」
「ぁ、あ、あッ、〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッッ!!」
ぼびゅ、びゅるっ、びゅううううううううううううっ、
1度目よりもさらに濃く量の多い精液を、膣内に注ぎ込む。かくかくと腰を振って、一滴残らず彼女の中へ。愛しい番は、その熱にすら官能を煽られるようで、背を弓なりに反らし、肩を震わせる。そうして、くたりと力が抜けて、枕にぽすんと顔を埋めた。
ぬぽ、ぬぷ、と音を立てて、蜜穴から剛直を引き抜く。白濁と愛液の混ざった液体がどろりと溢れ出て、彼女の太ももを、すっかりぐちょぐちょになった敷布団を、濡らす。「はぁ、」とため息をついて、こちらを振り向いた彼女は、「やっと、目が合いましたね、」と嬉しそうに微笑んだ。
「ねえ、小狐丸ちゃん、ちゅう、してもいいですか?」
小狐丸が是とも否とも言わぬうちに、彼女はその身を起こして、小狐丸の唇に小さなそれを合わせた。行為の最初とはまた異なる、それは優して、甘やかで、砂糖菓子のような……。そんな柔らかな感触が幾度も幾度も降ってきて、その度にちゅう、と音を立てて唇が離れる。そうしてまた擦り寄ってくる彼女が愛おしくてたまらない。行為の後の少し艶やかな表情の彼女に「小狐丸ちゃん、」と呼びかけられ、小狐丸は目を細める。
「……あのね、小狐丸ちゃん、私より先に死なないで」
懇願するように絞り出されたその言葉は、まるで呪いのように小狐丸を縛り付ける。
彼女の脳裏をよぎるのは、どんなに斬り殺しても消えることはない時間遡行軍のことだろうか、それとも灼熱の炎に焼かれて消えていったあの小さな村ことだろうか、それとも……。
月の見えない静かな夜更けだ。いつもより少しだけ早く、本丸の将は目を閉じる。……あの村を囲む森の木々も同じように眠れているだろうか。