※2017年8月7日に頒布する新刊からの抜粋です
※♡が乱舞しています
小狐丸は己の中に人間としての性と刀剣としての性、そして獣としての性が共存していることをなんとなく自覚している。その三つの性はその時々で他より強くなったり弱くなったりする場合もあるものの、比較的平均的な状態を保ってきていた。
これまでも、これからも、時折ある僅かな崩れをいなしながら、主と共にあるのだろうと、そう思っていた。
その日の空は仄暗く、陽が沈むにはまだ早い時間なのに、夜が来たかのようだった。雨が降っているわけでも、雲があるわけでもないのに、まるで神が光を食べてしまったかのように。「太陽は見えないだけでそこに居るからね、直接空を見上げては目を痛めるよ」と石切丸が言うから、まじまじと様子を観察することはできないが、僅かに残った陽の光さえ徐々に消えていっているのは上を見ずともわかる。強い光は、次第に、細く、細く。
そんな空が珍しく、いつもより早い時間ではあるが縁側で盃を傾け、ちびりちびりと酒を呷っていた小狐丸は、不意に身体の奥底の血液が熱く煮えるのを感じ、慌てて手に持った器を床に置いた。いやはや、これは飲み過ぎただろうか。普段であれば心地よくなることはあっても酔いが回るような量ではない。連日の出陣の疲れが出てしまったのだろうか。今宵は早めに自室に戻って明日に備えて……、そう思って立ち上がろうとするが、足に力が入らない。安定感を失った身体はぐらりと傾いて膝から下が軟体動物になってしまったかのような心地だ。
脳みそが掻き回されるような気分になって、視界がぐらぐらと揺れる。主の名を呼びたかったが、舌が動かない。己の存在が不確かなもののように思えてくる。ここで折れてしまうのだろうか、折れてたまるものか。必死で伸ばした手は空を掻いて、落ちた。

気がつくと小狐丸はいつもの自室でいつもの布団に横たわっていた。
「小狐丸ちゃん、大丈夫ですか?」
心配そうに己の顔を覗き込んでくる主の細い髪を梳すように撫でると少し表情が緩むが、己の手を握る小さな手がすっかり冷え切ってしまっていることに変わりはない。
「ご心配ありがとうございます、ぬしさま。……その、私はいつの間にここに……?」
「覚えてないんですか? 小狐丸ちゃんたら、縁側で倒れてて……、苦しそうにしてたから岩融さんと太郎太刀さんにここまで運んでもらったんですよ、」
「……左様、ですか……、」
「でもすぐに目が覚めたみたいでほっとしました……。どこか具合が悪いところはありませんか……?」
「具合……、いえ、身体の不調は特には……、」
本当に?と訝しげに主が顔を覗き込んでくるが、先程もしやここで折れるのかとまで思ったのが不思議なくらいに、不調を感じるようなところは何もない。……苦しくて、苦しくて、思わず膝をついたアレは、己の酒の飲み過ぎを戒めるただの夢だったのか。
「小狐丸ちゃん、起きあがれますか? お水を持ってきたから、ゆっくりで良いから飲んで……、」
「そう不安そうな顔をなされないでくだされぬしさま、小狐はほら、このように、もうどこかも悪いところはございません」
主の言葉に心配するなというように笑って、ゆっくりその身を起こす。と、不意に小狐丸は背中から腰にかけて違和感を覚える。……どうやら主もその変化に気がついたようで、これはもしやと小狐丸は眉間にしわを寄せる。もしやと思い己の頭をかき上げると、量の多い髪の毛に隠れてわかりにくかった毛玉が2つ露わになった。
「……耳と……尻尾?」
「……どうやらそのようです、」
小狐丸の言葉に主は「とっても、とってもかわいいです!」ときらきらと目を輝かせる。が、小狐丸自身としてはそう手放しに喜べない。大ぶりのもふもふとしたこの尻尾は、放っておけば消えてくれるものなのだろうか。

中略

昼間より幾らか気温が下がる夜間こそ、人のぬくもりをより感じることができるのでは、とかなんとか理由を並べ立てて小狐丸は彼女の私室で一夜を過ごすことになった。
川の字に布団を敷いて、二人で眠る。小狐丸としては布団は一つでも問題はないのだか、まあ仕方あるまい。
穏やかな表情で目を閉じている彼女の愛らしい表情を見ているうちに、獣の性のせいだろうか、身体が狂おしいくらい熱くて、呼吸がだんだんと速くなって、いつも以上に早く彼女に触れたくて、触れたくて、触れたくて、心音が早くなってしまう。
彼女を手篭めにしたいのだと獣の本性が人の理性に訴えかけてくることはこれまでも頻繁にあったしものの、ここまで抑えが効かない・早く彼女を掻き抱きたいと腹の底から思ったのは初めてのことかもしれない。
今剣には、やはりケダモノではないですか、と笑われそうだが、今の小狐丸は本当にケダモノなのだから仕方がない。心の中で己に言い訳をしながら、隣で寝息を立てる彼女に囁く。
「ぬしさま、小狐丸です、まだ起きていらっしゃいますか?」
小声で声をかけるが返事がない。音を立てないようそっと身を起こし、自身の布団を抜け出して、隣にいる彼女にジリジリと近づく。
途中、尻尾が布団に引っかかり、ボス、ばふん、と思わぬ音を立てる。慌てて彼女の様子を見るが、夢の中から浮上した様子はないため、ほっと溜め息をつく。
今宵は一際暑く、蚊帳を吊り下げ、窓を開けていても熱が全く冷めないほどだ。そのせいか、彼女の夏用の薄い掛け布団も眠っているうちに蹴飛ばしてしまったのだろうか、足元でくしゃくしゃに丸まってしまっている。
そんな中、主は瞼をしっかりと閉じ、すやすやと深い眠りの中に居た。先程の失態を繰り返さぬよう、慎重に、無防備な彼女の側へ近づいて腰を下ろす。薄布一枚の隔てしかない筈なのに、その蚊帳の中は外界とは違う、どこか神聖な領域のように思えるのは、柔らかな月明かりに照らされた己と彼女の影が、乳白色の布に映ってゆらゆら揺れているからだろうか。そのようなことを思いながら、彼女の額や頬を撫でるとじんわりと汗ばんでいるせいかしっとりと指に吸い付いてきた。続いて、つう、と首筋に手を伸ばしてゆるゆると撫でると、少しだけ身じろぎし小さく声をあげた。慌てて手を離したものの、彼女が起きる様子はない。ほっと溜め息をついて、次は彼女の唇を親指でなぞり口付け、軽く歯を立てて食むようにする。こうすると彼女はいつも嬉しそうに、気持ちよさそうに目を細めるのだ。夢の中にいる今は、ほんの少しだけ鼻にかかったような甘い吐息を漏らすだけであったが。
眠っているうちに緩んでしまったのであろう今にもはだけて肌が露わになってしまいそうな着物の袷に手を差し入れて、自然と脱げてしまう前に乱してしまう。と、風が吹いたわけでもないのに脱がせた薄布がふわりとはためく。彼女の衣服だけではなく、小狐丸の髪の毛もいつの間にかふわふわと揺れていたから、不思議に思いきょろきょろと辺りを見渡すと、己のふさふさの尻尾が散歩にけることが嬉しくて仕方がないという子犬の尻尾のように、ぱたぱたと揺れていた。主に触れることが幸福でたまらないという己の感情がそのまま尻尾の動きに現れてしまっている。誰かに見られているわけではないが、少し気恥ずかしい気持ちになってくる。
その恥ずかしさを紛らわすかのように、彼女の柔らかな乳房に手を伸ばす。ふにふにと揉みこむと白く柔らかな果実がグニグニと形を変えて小狐丸の掌に吸い付いてくる。普段よりも伸びて先端が尖り、獣らしくなった爪で中心をカリカリと引っ掻くように指を動かすと、まだ眠ったままの彼女から秘めやかな喘ぎが漏れて思わず口角がにんまりとあげる。
「ふ、♡、ぅん♡、ゃ、ぁ」
「嗚呼、ぬしさま、ぬしさま……♡眠っているのに感じていらっしゃるのですね、なんとお可愛らしい……♡」
「……ぅ、ん、むぅ♡」
「ご安心くだされ♡獣の性が色濃くなってはおりますが、ぬしさまを傷つけるつもりは毛頭ございませぬ故……どうかそのまま……、」
そう言って少し引っ掻くだけで徐々に紅く主張し始めた乳首にちゅう♡と吸い付くと、細い身体はびくんとしなる。そのままちゅうちゅう、ぺろぺろ、と吸ったり舐めたりを繰り返す。歯を立てぬよう、主を傷つけぬよう、慎重に。
ちゅう、ちゅぷ♡ちゅぱちゅぱ♡ちゅっぽん♡♡
いつの間にか唾液に塗れてどろどろになってしまった胸の紅いしこりは、熟した果実のように小狐丸を誘い続ける。左右交互に咥えて、吸い上げて、空いている方の乳首は親指でくりくり♡と押しつぶし、しゅっしゅっと擦り上げて、べとべとに纏わり付いた唾液をぬるぬる塗り広げた。その度に夢の中にいる筈の彼女の吐息が情事の時の甘さを孕むから、吸い上げる強さはますます強くなり、指で擦る速度はますます速くなる。胸の飾りは目に見えてぷっくりと膨れ上がり、桃紅色に主張して、これから更に爪を立ててぐりぐりと嬲ると先端の小さな穴が拡がって乳汁が滲み出てくるのではないかと錯覚を覚えるほどだ。
「……ゃ、ぁん♡♡ッぅ……♡」
「ぬしさま、ぬしさま……♡ぬしさまの乳首が、ほら、桜桃のように、紅くコリコリと尖って小狐を誘っておりまする……♡夢の中にいらっしゃるのになんと淫乱なぬしさま……♡寝込みを獣に襲われて、嬲られて、好いようにされても気持ちよく蕩けていらっしゃる……♡」
「……ッ、ぁッ♡……」
「おや、御身がびくんと震えましたね。達してしまわれたのですか?眠ったまま乳首だけで絶頂を迎えてしまわれるとは、ほんにいやらしい……♡これでは獣の雌とそう変わりありませんね……♡」
囁くように溶かし込むように淫猥な言葉を彼女の耳元で吐くと、細い身体は少し身じろぎをしてひくんと震える。そろそろ目を開くだろうかと彼女の表情を伺うが、まだ覚醒する気配はない。
調子を良くした小狐丸は、既に夜着が取り払われて生まれたままの状態になっていた主の腹を、腰を、足の付け根を、するすると撫でて、彼女がそれでも目を覚まさないのを確認してから、「失敬」と股の間に手を伸ばす。
獣の陰茎はいつもの小狐丸のそれよりも一回りも二回りも大きく膨れ上がっている。今宵は、普段より一層丁寧に、彼女のナカを拓かねば。
「いつも以上に念入りに解します故、小狐の獣を、此方から注ぐ酒を、全て全て呑み込んでくだされぬしさま……♡」
そう言って雌壺の入り口をするりと撫でるとそこは既にとろとろの蜜が溢れ出してきていて、早々に衣服を取り払ってしまっていたため敷布団にぽたりぽたりと滴り落ちて小さな水溜まりを作ってしまっていた。
「嗚呼、ぬしさま……♡既にこんなにも小狐を感じていてくださっていたのですね♡嬉しや♡♡乳首だけで下には触れておりませんでしたのに……♡お待ちくだされ♡すぐに、差し上げます故……♡」
ぬち、ぬちぬち♡と入り口の蜜を塗り広げて、ぬぷん♡と人差し指を熱い狭間に埋め込む。くちゅ、くちゅ♡と指を抜き差しし、時折内側の肉壁をトントンと叩く。いつもより尖った爪で彼女の大事な部分を傷つけることはないように、慎重に、やさしく。するとますます蜜が滲み出してきて、小狐丸の指が、腕が、甘い汁で濡れていく。
これであれば、もう少し拡げても痛みを感じることはないだろう。ぐりぐりと掻き回して少し入り口の隙間を作り、埋め込む指を二本、三本、ぷちゅ、ぷちゅう♡♡と音を立てながら埋め込んで膣内でばらばらと動かすと、それが一際気持ちが良かったらしく、彼女の肩はびくんと震え、瞳を覆い隠していた上下の瞼がぎゅっと合わさった後、ゆっくりと持ち上がる。
「おや、お目覚めですか、ぬしさま♡♡!」
「ぅ、ん……、こぎ、つねまる、ちゃ……?」
「起こしてしまったようですね、申し訳ありませぬ……♡」
「……ん、……まだ、夜……?」
「ええ、ぬしさま、夜でございまする♡闇に紛れた獣が獲物を狙う目光らせ始める夜ですよ♡」
そう言って小狐丸は彼女の首筋をぺろりと舐めると、細腰がびくりと震え、まだ柔らかな割れ目に埋め込まれたままの小狐丸の指が、内壁の彼女が一際感じる箇所を叩く。
「きゃ、ぁぅ、ンッ♡」
「おや、ぬしさま♡今のだけでナカがきゅうと締まりましたよ♡感じていらっしゃるのですね♡なんとお可愛らしい……♡」
ちがうもん、と涙目で首を左右に振る彼女の髪の毛を梳るように撫でて、舐めていた首筋に軽く歯を立てる。
「ご安心くだされぬしさま♡小狐は獲物を骨まで残さず喰らい尽くす獣でございまする♡ぬしさまの内側も外側も、爪先から髪の毛の先まで、しっかり味わって差し上げますよ……♡」
「……ぅ、こぎつねまる、ちゃんの、えっち……、」
「……えっち、とな。ぬしさまはこの小狐丸を性的でいやらしいとおっしゃる♡ですがぬしさま、それはぬしさまも同じですよ♡ほんに、えっちなぬしさまじゃ♡」
埋め込んだ指を中でぐるりと廻す。「ひゃ、ぁぁん♡♡」と高く愛らしい声があがり、柔らかな膣内はきゅう♡と狭まり、溢れ出す蜜は止まらない。
くちゅ、ぷちゅ♡ぬち、ぬちぬち♡じゅっぷん♡♡
気持ちよさに耐えきれず肩を震わせながら己にしがみついてくる主が可愛くてつい頬を緩めてしまう。
そのような彼女の可愛らしい姿を見る度に、満たされた心地になる。が、その間ずっと背中の尻尾がますます嬉しそうにぱたぱたと音を立てているのが煩くて煩くて仕方がない。彼女を嬲る手の動きを一瞬止めて、思うように扱うのが難しいそれを掴んでどうにか動かないよう固定する術はないかと頭を巡らせる。と、膣内の指は動きを止めたのに彼女の身体がひくり、ひくりと痙攣していることに気がついた。どうやら、長く大きな狐の尾の毛先が彼女の脇腹や尖りきった乳首をふわふわと刺激しているようだ。ますます蕩けた表情を見せる愛しい雌の姿に、狐はにんまりと目を細める。
「ぬしさま、嗚呼ぬしさま♡ぬしさまはこの小狐の尾がお好きだとおっしゃる♡♡」
「ぁ、ち、がうの、小狐丸ちゃ、の、尻尾……、可愛くて、すき、だけどぉ……♡♡こすこす、されたら……へん……ッ♡♡」
「ええ、ええ、わかっておりますよ♡ぬしさまは気持ちの良いことも、可愛い小狐丸のことも、大好きですものね♡♡……どうです、暫くすればおそらく消えてしまう部分でございます、折角ですのでたんと味わってみては?」
「あじわう……、って?」
返事をする前に彼女の身体を持ち上げて、身体の前へ移動させた尻尾に跨がらせた。何も身につけていないから、滲み出た愛液で尻尾の毛がぬめぬめと湿っていく。
「小狐丸ちゃ、これ……、」
「さあさ、ぬしさま♡小狐は手を止めておきます故、どうぞお好きに動いてくだされ♡♡」
「ぁ、ぅ♡、そんな、できな……ぃ……、」
「ご冗談を♡ぬしさまはおできになる筈ですよ♡ご覧くだされ、先程お座りになったばかりですのにもう小狐の尻尾はぬしさまのいやらしいお汁でぐちょぐちょになっておりまする♡このままではお辛いのではありませんか……?♡」
「そん、な……、」
まだためらいを見せる彼女に痺れを切らして、尻尾を少しだけ前後に動かしてみる。と、「ぁッ♡、ぅうんッ♡♡♡」と甘い声が漏れ、ゆるゆるとした小狐丸の動きに合わせて彼女自身の腰も少しずつ動き始める。尻尾をぐいと持ち上げ、腰を掴む手に力を込める度に尻尾の毛が食い込むのであろう、小さな身体はびくんと跳ねて、番は今にも泣きそうな表情でこちらの様子を窺ってくる。嗚呼なんと可愛らしい。ぐいぐいと擦り付ける度に小狐丸の表情は緩むばかりだ。加えて、ふわふわのと体毛が生えていて手触りが良いだけで、何の役にも立たぬと煩わしく思っていたこの尻尾は、陰茎ほどではないものの、身体の他の箇所と比べて随分と感度が良いらしい。彼女の姫処のぷにぷにとした柔肉の感覚が心地よく、脳みその奥も、吐き出される息も、どんどん熱く蕩けそうになっていっているのが自分でもよくわかる。
「ッ、は、ぁ♡、ぅンッ♡、……ぬしさま、ぬしさま♡気持ちが良いですか? 小狐も大層気持ちようございまする……♡」
「ぁ、ああッ♡ぅ、ッ♡ん、♡こぎ、つねまるちゃ、♡♡尻尾、しっぽがぁああッ♡♡♡んゥうううううッ♡♡♡」
「ぬしさまに喜んでいただけて小狐は嬉しゅうございます♡もっともっと気持ちよくなってくだされ……♡ほら、乳首も一緒にくりくり致しましょう♡♡♡」
「ぁ、あああ、乳首、乳首もどうじに、されたらああああ、、おかしく、なっちゃうううう♡♡♡♡」
びくんと身体が跳ねて細い背が弓なりに反り返る。蕩けた湿地帯に直接手で触れずとも、小狐丸を至るところで感じて、蕩けて、気を飛ばしてしてしまう彼女が愛おしくてたまらない。

以下略