身体が妙に熱い。彼岸を過ぎたとはいえ、まだ夏の暑さは残っているが、それにしても、だ。小狐丸が差し出してきた竹筒に入った水を飲んでから、じんわりと滲む汗が止まらない。それに、普段は自らの手でも触れることがない身体の奥が疼く。
街を歩くの足取りが少しおぼつかなくなっていることに気が付いたのか、小狐丸が「ぬしさま」と手を差し出してくる。素直にその手を取るとお互いが繋がったそこからじわじわと熱が増幅して体の内側から溶けてしまいそうだ。
追い抜かそうとする人を避けるため、小狐丸が自然な動作での手を引き腰を抱く。その仕草で小狐丸の手が弱い脇腹をかすめるから、そのつもりは無くても、ひくりと肩が少し震えてしまう。
「小狐丸ちゃん…、」
名を呼び熱のこもった視線で見上げると狐はすうと目を細め、笑う。
「ぬしさま、どうなされましたか。」

小狐丸が水を差し出してくる前に、その液体に何かぽたりと滴を落としていたことには気が付いていた。おそらくこれほどまでに身体が熱くなっているのは、その一滴のせいだろう。それを尻ながらそのまま口にしたのは、ひとえに小狐丸が手渡してくるものであれば、危険なものではないだろうと信頼を置いているからだ。…それがまさかこのように脳味噌が溶けてしまいそうなほどの熱を孕むとは。
「ぬしさま、ぬしさまはご存じであられたのでしょう?この小狐がぬしさまのお水に落とした"クスリ"に。しかしぬしさまは知っていてあの水をお飲みになられた。違いますか?」
がゆるゆると頷くと、「ならば話が早い」と言って小狐丸は、じんわりと汗がにじむの額を撫でる。小狐丸の表情は悪だくみをしているときのそれなのだが、はすでに正常な判断ができなくなって、咎めることもできない。
「ああおかわいそうにぬしさま。ぬしさまのお体が熱いのはその"クスリ"のせいにございまする。何をせずとも身体が熱くなる代物とのことでして…紛い物と思っておりましたが、まさか本物とは…」
「くすり…の…?」
「ええ、もちろん命に危険が及ぶものではございませんが…。どうでしょうぬしさま、お詫びにこの小狐がその熱を冷まして差し上げましょうか。」
かり、と狐がの耳朶に歯を立てる。その先にすることはいくら脳まで暑さで溶けそうになっているとはいえ、すぐにわかる。服越しに胸や腹の弱いところを撫でられ、普段であれば小狐丸にほだされ身をゆだねてしまっていただろう。
だが、二人が居る薄暗い路地裏は人気がないとはいえ、大通りから少し歩けばすぐにたどり着ける場所であることに変わりはない。
「小狐丸ちゃ…、まって…、だめ、こんなとこで…、」
「……ですがぬしさま、此処から本丸に戻るまではしばしかかります。」
それまで我慢できますか、としたり顔で聞かれ、内腿を撫でられて、言葉が詰まる。少しずつ、しかし確実に快感を教え込まれたの身体は、酒の力も相まって微かに震え、今はもう立っているのもやっとな状態だった。
「で、も……誰か来たら…、」
「このような場所に人が来るとは思えませんが……まあ、もしその時は、この小狐にお任せください。」
そう言って小狐丸はを後ろから抱きしめ、首筋に軽く牙を立てる。血が出るほどの強さではないが、少し跡が残る。その噛み跡を狐がぺろぺろと舐めるからぬめぬめとした舌が触れるたびには熱い息を吐き、膝はがくがくと震えた。
小狐丸がわざとぴち、ぴちゃ、と音を立て、の肌を舐めるから、卑猥な水音が鼓膜を揺らす。
「はあぁ……んっ…こぎ、つ…」
「ぬしさま、大声を出せば周りに聞こえます故、お静かに。」
「ふっ…んぅ…、」
「小狐の指をかんでいても構いませんよ。」
涙目になりながらその指を噛むを見て狐は笑い、幼子を誉めるときのように黒髪をさらさらと撫でる。
特に触られてもいないのに、蜜孔の入口はすでにとろとろに溶けきっていた。「これなら慣らす必要はありませんね、」という言葉と共に、建物の壁に手をついただけの状態で小狐丸の滾りがずぷずぷと埋め込まれ、内壁がぎちぎちに広がった。
じゅぷっ、ぬちゅ、と似つかわしくない音が路地裏に広がる。そのまま理性を飛ばしてしまいそうになった、
その時、二人のものではない人の足音が直ぐ近くで聞こえの身体は硬直する。着物はほとんど乱れていないが、この状態を見られてしまえば何をしているかすぐにわかってしまうだろう。離して、とその胸板を叩くが、の中から出ていく気はないらしい。それどころか、さらに奥に進み、引くひくと震える壁を抉る。口をふさぐ小狐丸の指が唾液でべとべとに濡れる。
蜜孔の奥で愛液と先走り液が混ざり、ごぷり、と音を立てた。このような状況でも最奥がちゅうちゅうと小狐丸自身に吸い付いているのを感じる。
「ほんとだって、この奥で声が聞こえたから…、」
知らない男の声が聞こえは目を見開く。小狐丸に視線で訴えるが、彼は少し微笑み唇に人差し指をあてるだけだ。足音と話し声が徐々に近づいてくるのを感じる。と、同時に、ずん、と最奥の最も感じる部分を突かれ、狐の指にがり、と歯を立ててしまう。
「〜〜〜〜〜〜っ!!!」
「なんだ、誰もいないじゃないか。」
「……狐に化かされたか?」
そう言って若い男たちは裏路地から立ち去っていく。
小狐丸の指で口をふさがれたまま気をやってしまったは、蜜孔にどくどくと白濁を注がれつつも、ぼんやりとした頭で思う。確かに今、見られたはずなのに、彼らには何も見えていなかったようだ。
「ふむ、また戻ってこられては面倒じゃな…、」
「こぎ、つねまるちゃ…、いま、なにを…?」
「この狐にお任せください、と申し上げたではありませんか。」
そう言って狐は笑い、肉棒をずるりと引き抜き、とろとろに腰が砕けたを横向きに抱え上げる。
「ではぬしさま、一度本丸に戻って続きをいたしましょうか。」