山盛りのフルーツで彩られたかき氷は目にも鮮やかだ。の選んだカボチャのクリームが乗っているものも、俺の選んだマンゴーとイチゴのソースがかかかっているものも、お祭りの派手な色をしたシロップがかかったものとは上にかかっているものから氷の質感まで全然違うから、思わず感嘆のため息をついてしまう。たぶん、中学生のお小遣いではこんな高級かき氷なんて年に一度食べられるか食べられないかくらいだろう。俺たちはめちゃくちゃラッキーだ。福引きの神様ありがとう、と思わず宙を見上げてしまう。
ふわふわの氷の山にスプーンを刺しこむと赤と黄色が混ざり合ってマーブル模様になった。口に入れると、予想通り爽やかな甘酸っぱさが舌の上で広がって思わず頬が緩んでしまう。カボチャかき氷にスマホのカメラを向けていたがそんな俺の様子に気づいて「もう食べてるんだ」と笑い声を上げた。
「英二のも写真撮れば良かった」
「あ〜確かに、全然そういう習慣ないから忘れてた」
二人目を合わせて苦笑する。でも、記録には残らなくても、記憶にはちゃんとこのマンゴーの黄色とイチゴの赤がしっかり残っているし、かき氷は美味しい。しゃりしゃりしているのかとおもったら丁寧に削られた氷は口の中でふわりと溶けていってなんだか雪を食べているみたいだと思った。
「こっちも一口食べる?」
「えっ、一口?」
「いらない? かき氷好きだし、カボチャも嫌いじゃないでしょ?」
自分のかき氷を黙々と食べる俺に、はカボチャのかき氷の器をこちらへ向けてくる。『一口食べる?』と言われてのスプーンを差し出されるのかと思って一瞬ドキッとしてしまったけど、そりゃそうだよな。「じゃあ一口だけ」と自分のスプーンを刺しこんだカボチャのオレンジ色は、マンゴーとイチゴよりももっとふわふわとした質感をしている。
「あ、美味しい」
「でしょ、」
「ありがと、……俺のも食べる?」
「……食べたい」
器を差し出すとのスプーンが黄色と赤のソースへ埋まっていった。氷蜜がじわじわとガラスの器の底に沈んでいく。