This is DONUT

Cafe au laitおかわり自由のカフェオレ

 次の日。私と桃と越前はまた帰り道のドーナツ屋さんでぐだぐだおしゃべりしていた。私と菊丸先輩の話、一から十まで聞いてくれるのはなんだかんだ言ってこの二人だけだから。
 道中、進展があったから聞いて!!と大騒ぎしていたからか、席に着いた時はちょっとわくわくしていた二人の顔が、だんだんいつもの面倒くさそうな表情になっていくのにはちょっとむっとした。たいしたことない進展で悪かったな!

「で、結局呼び方が変わっただけで、付き合うだの付き合わないだのには至ってないってわけか……」
「そーなんです、」
「英二先輩には、の気持ちばれてるのに、」
「その通りです……」
先輩って、結構バカですよね」

 そこまで行ったなら告白しちゃえばよかったのに、と越前はグレープソーダを啜る。うるさいよアメリカンボーイ。私には私のペースってやつがあるんです。

「でもね、なんかね、あれ以来恥ずかしくて名前も呼べないし目を合わすこともできず……」
「えっ、」
「な、なんだよ桃、」
「いや、英二先輩からメールきてたから、せっかくだから一緒にドーナツどうすかって誘ったんだけど」
「は?」
「目、合わせられねえならやめといた方が良かったか?」
「はあああああ!?」

 途端に自分のペースを崩された。いや、すまん!がんばれ!と頭を下げる桃は全然申し訳なくなさそうだ。「早く付き合っちゃえばいいのに」という越前の声は聞こえないふりをした。

 高鳴る鼓動が収まる前に、カップにたっぷり注がれたカフェオレが、冷めてしまいそうで焦る。
そうこうしているうちに、店の入り口のドアベルがカランと鳴った。

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