レンタカーを借りて二人でドライブがてらやってきた港の喫茶店の窓の外では、ヨットやクルーザーがのんびりと揺れている。いまはすべて波止場につながれているが、マスターの話によると、温かい時期になると若いカップルとか大学生のグループとかが船をレンタルして潮風を楽しんでいるらしい。
それを聞いてきくまるくんが「いいな〜俺も乗りたいな〜」なんて言うから、つられて私も海風を全身で感じたくなってしまう。
「とろうかな、ヨットの免許」
ぽつりとつぶやくと、急に彼は「やめてよ!」と頬を膨らませた。
「俺がかっこつけたいのに、また甘えたくなっちゃう」
そういえば、なんだかんだ言いつつ今日も私がここまで車を運転してきてしまった。だって、彼の運転は、なんというか、ちょっと危なっかしい。「いいんじゃない、甘えても」と笑うと、よくないよ!と拗ねる姿も好きだ。