本丸に居る刀剣たちは大抵名前のことを小さな子供のように扱う。生まれてすぐのまだ首も座っていないようなころからの付き合いだから当然ともいえるのだが、背丈も庭木と並んだ名前にはそれが気に食わない。「私、みんなが思っているほど子供ではないんですよ、」と頬を膨らませ訴えると「ええ、ぬしさまは子どもではありませんよ。」と小狐丸は頷き、笑う。
「小狐丸ちゃんはそういっても、みんな私のこと五歳の女の子みたいに扱うんです。」
「……確かにそうかもしれません。」
特に三日月宗近は顔を合わすたびに懐から飴を取り出し名前に差し出すし、石切丸は庭に出て花の世話をするといえば帽子や手ぬぐいを持ってきて身につけさせ暗くなる前までには戻るようにと念を押してくる。
「おとなってどういうものか、教えてください、」と冗談半分に名前が言うと、小狐丸は「ほう、」とどこか楽しそうに目を細めた。
「ではぬしさまにこの小狐が大人の遊びを教えて差し上げましょう、」
***
とろとろに溶かされた蜜孔に差し込まれたのは小狐丸自身ではなく、樹脂でできた張形だった。外気にさらされて少しひんやりとしたそれは、さほど太くも長くもないものだが、ぶるぶると小刻みに震え内側に刺激を与えてくる。どこで手に入れたのか、とか、何故小狐丸の持ち物にこのようなものがあるのか、とか、聞きたいことは山ほどあったが、今は中で蠢く護謨の玩具に翻弄されてそれどころではない。
「小狐丸、ちゃ…これ…抜いてぇ…」
「おや、ぬしさまは『おとな』なのでしょう。おとなの遊びはお嫌いですか」
「ぅ…こ、んなの…したかったわけ…じゃ…ない…んっ…、」
小狐丸が抜差しする樹脂製の張形は振動しながら名前の中を往復し、中を擦るたびにぬちゅ、くちゅ、と音を立てる。確かに気持ちよくはあるのだが、
「ね、小狐丸ちゃ…これ…やだ…ぁ、」
「お嫌ですか、中はこのように濡れていらっしゃるのに……」
「でも…や、…です…、こ…小狐丸ちゃん…の…がいい…、」
「……ふふ、左様で、」
これではぬしさまはまだ『おとな』にはなれませんね、そう言って目を細める小狐丸はとても意地悪だ。
「では、おとなの遊びはまた今度、」と名前の頬に伝う涙を舐めとり、人肌ほどの温度になった樹脂を引き抜く。つう、と糸を引きながら蜜孔から離れていく張形をまじまじと眺められ、恥ずかしさで身を捩る。