ずぷりと固く太く杭と突き刺すと、「ひっ」と名前の小さな唇から悲鳴とも喘ぎ声ともつかない声が漏れた。煌々と蛍光灯の光に照らされた部屋に、その高く甘い声は一際大きく響く。
小狐丸自身が埋まりぎちぎちと広がり蜜を零す孔がよく見える。情欲にまみれた狐はその入口を優しく撫でてすぅと目を細めた。
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彼女が情事の前に「灯りを消して」と言いはじめたはいつからだっただろうか。初めて身体を合わせた時から、だったかもしれない。
平安時代の建築様式に近い造りになっている本丸御殿だが、存外電気や水道はきちんと通っている。指ひとつで灯りをつけたり消したりことができる照明器具に最初驚きはしたものの、慣れてしまえばこれほど便利なものは無い。
その日も、手を伸ばして蛍光灯の紐を引くことはできた。だが、その日は彼女の言う通りあたりを暗くしたくはない、そんな気分だったのだ。
「たまには、良いではありませんか。ぬしさまの顔をよく見とうございます。」
にこりと笑いながら彼女の着物のあわせに手をかけると、組み敷いた主が不安げな顔でこちらを見てきた。
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着ているものを一枚一枚脱がせ生まれたままの姿にすると、名前は目をそらし髪の毛で顔を隠すようにする。普段小狐丸と交わるときは暗くてよく見えない己の身体が明るみにされることに羞恥心を覚えているようだ。
「ね、小狐丸ちゃん、やっぱり灯りを消しましょう…?」
「何故です?小狐はぬしさまの可愛らしいところがよく見えて嬉しいですよ。」
ぐり、と胸の飾りを押しつぶすようにすると主は「きゃっ、ぅ、」と良い声で鳴く。右の胸を揉み飾りをくりくりと弄りながら、反対の胸に舌を這わす。ぺろぺろと舐めたり、がぶりと噛んだり、たまに吸い付くようにすると、彼女はびくびくと体を震わせた。唇を離すと噛みついた場所に赤い跡がつき、唾液でてらてらと艶めかしく光っているのがよく分かり、小狐丸はにんまりとする。
再び可愛らしい乳首を舌先で転がしながら、小狐丸の手は彼女の腹を伝い、太腿を撫で、足の間の割れ目をなぞる。熱く震えるそこはいつも以上に蜜を溢れさせ、少し触れただけでぐちゅぐちゅと音を立てる。指を埋めると、どろどろに溶けてしまいそうだった。
「胸に触れただけでこのようになってしまうとは…いつも以上に感じていらっしゃるようですね、ぬしさま。」
「はっ、…あっ、んぅ…」
「そんなに小狐丸の指と舌がよろしかったのですか?…それとも、この灯りのせいか」
「いっ、やぁ…そんなこと…」
「嫌、ではないでしょうぬしさま。こんなに濡れていらっしゃるのですから、」
くちゅ、くちゅ、ぬち、ぬぷ、ぐぷ、と蜜壺に埋めた指を動かすたびに水音は激しくなる。その度に名前は「あっ、あっ…」と甘い声を上げ小狐丸の指を締め付けてきた。手前にあるぷっくりと膨れた花芯を擦ると、彼女は一際高い声を上げて達してしまう。汗がにじんだ額に口づけると、彼女はきゅうと目を閉じた。
「…は…ぁっ…小狐丸ちゃん…」
「そろそろ、中に入れますよ、ぬしさま。」
「…あっ、まって、…っひん、」
「残念ながら、狐は”待て”はできません…ゆえっ、」
「ぃ、あぁああああっ!」
ぐちゅずちゅと音を立てながら男根が埋まっていく。灯りのおかげで自身に押し広げられていく彼女の入り口がよく見えて、ぞくぞくとする。
瞳にうっすらと涙を浮かべ、息を荒くする彼女が愛しくてたまらない。小狐丸にぐずぐずに溶かされて、部屋の灯りのことなどもうどうでもよくなってきているようだった。
埋め込んだ滾りをぐるりと回すようにうごかすと「あっ…あぅ…」と声が漏れる。膝をつかみぐっと彼女の足を広げると、辺りの明るさで紅く腫れ上がった花弁がよく見える。楔はより深く埋まり、内壁は小狐丸をきゅうと締め付けてきた。結合部からぐちゅぐちゅと溢れ出す先走りと愛液が混ざった液体が、照明の光を反射しきらきらとしていて、宝石のように見えた。
「あぁ…、可愛い、可愛らしいですよ、ぬしさま。」
「はっ…あぅ…」
「下のお口で小狐丸の物をはしたなく咥えて…、とても良い眺めです。」
「んっ…ああぅんっ…あひっ…ううっ…」
奥を突く度に結合部がぐちゅり、ぬぷり、と音を立て、ますます扇情的な気分になる。
彼女が手を伸ばし引き寄せるように腕を小狐丸の首に巻き付けてきた。そのまま吸い寄せられるようにその小さな唇に己のそれを合わせる。合わさった唇の隙間から洩れる吐息が熱い。天国まで飛んで行ってしまいそうだと小さな身体を抱きながら思った。